Abstract
食道切除後に心タンポナーデを発症することは非常にまれである.今回,食道胃接合部癌根治術後に心 タンポナーデを発症した1 例を経験したので報告する.症例は64 歳の女性で,健診にて異常を指摘され当 院紹介となり,精査にて食道胃接合部腺癌(E=G,cStage IA)と診断された.経裂孔的下部食道切除を伴 う腹腔鏡下噴門側胃切除術,観音開き法による縦隔内食道残胃吻合を施行した.術中偶発症は認めなかっ た.術翌日の夕方より酸素飽和度の低下,低血圧,ならびに頻脈を来した.UCG,CT にて心囊液貯留を 認め,心タンポナーデと診断した.直ちに心囊穿刺ドレナージを行い,約250 ml の淡血性排液がひけると ともに速やかにバイタルサインは改善した.その後の経過は良好で,術後20 日目に退院となった.原因は 特定できなかったが,術中の運針による心囊の微小損傷が心タンポナーデ発症要因の一つと考えられた..
Translated title of the contribution | A cardiac tamponade after esophagectomy for esophagogastric cancer |
---|---|
Original language | Japanese |
Pages (from-to) | 731-738 |
Number of pages | 8 |
Journal | Japanese Journal of Gastroenterological Surgery |
Volume | 51 |
Issue number | 12 |
DOIs | |
Publication status | Published - 2018 |
All Science Journal Classification (ASJC) codes
- Surgery
- Gastroenterology